しお姉
「看護師を辞めたい」が答えじゃなかった。8年・10年働いた看護師が、病院の外へ出た理由。
2026年09月19日
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「このまま看護師を続けていいのかな?」
そう思ったとき、私たちはつい「辞めるか、続けるか」の二択で考えてしまいます。
でも、本当に考えたいのは、
「私は、この先どうなりたいんだろう?」
なのかもしれません。

今回は、看護師として8年・10年働いたあと、一般企業へ転職したHandL卒業生のお二人に、転職を考えたきっかけから、実際の転職活動、企業で働いてみて感じたことまで、リアルにお話を伺いました。
この記事では、そのインタビューの中から、特に印象に残った言葉を抜き出しながらご紹介します。
🎥 先に動画で見たい方はこちら
記事の内容は、下の動画のインタビューをもとにまとめています。お二人の雰囲気や声のトーンは、動画だとよりリアルに伝わります。
▶︎ YouTubeで動画を見る
今回お話を伺ったのは、リリさんと松木さん。
リリさんは、急性期の総合病院で10年間看護師として勤務。消化器・救急・婦人科を経験し、部署異動も自分から希望を出してきました。その後、人材系の営業職へ転職。
松木さんは、総合病院と大学病院で8年間看護師として勤務。その後、治験コーディネーターを経験し、現在は医療系の人材営業職として働いています。
そんなお二人に、
「そもそも、どうして看護師を辞めようと思ったんですか?」
と聞いてみました。すると、印象的だったのがこの言葉でした。
「病院の中では割とやりたいことをやりきったかも」
リリさんは、消化器、救急、病棟と経験を広げていき、
「病棟でも働ける。救急の対応もできる。急変時にも対応できる」
そんなふうに、看護師としての自分に一人前になれた感覚があったそうです。
だからこそ、
「じゃあ、次は違うことをやってみようかな」
と思った。
「看護師が嫌だから辞める」だけが、転職の理由じゃないんですよね。
松木さんも、似たようなタイミングで悩んでいました。
看護師として7〜8年くらい働くと、
管理者を目指す
スペシャリストになる
ジェネラリストとして経験を広げる
など、なんとなく「次のステップ」が見えてきます。でも、
「どこにも自分がしっかり行きたいと思えるものがない」
そして、
「あと30年、40年、夜勤のあるシフトの生活をずっと続けていきたいのか」
という疑問が出てきた。

これって、実は看護師さんのキャリア相談をしていても、よく出てくる感覚です。
1年目なら、「まずは一人前になろう」
2〜3年目なら、「次はリーダーをやってみよう」
その先も、「委員会をやってみよう」「新人指導をやってみよう」「役割を増やしてみよう」と、やることが次々に降ってきます。
そして、それを一つずつこなしていく。だから、「成長している」感覚はある。
でも、あるところまで来ると、「……で、この先は?」となる。
お二人がまさに、そのタイミングだったんだと思います。
インタビューの中で、私がとても印象に残ったのが、松木さんのこの言葉。
「じゃあもう病院の中にはないやん。ここにいても広がらないんだって、ちょっと思った」
これって、「看護師を辞めたい」とは、ちょっと違いますよね。
「自分の可能性をもっと広げたい」という話なんだと思います。
病院の中でできることを増やすことだけが、キャリアアップではない。もしかしたら、「病院の外に出る」ことも、自分の可能性を広げる一つの方法。
そう考えると、看護師のキャリアって、もっと自由に考えていいのかもしれません。
ここからが、実は大変です。
「病院を出てみようかな」と思ったところで、じゃあ、何の仕事をするの?となるから。
リリさんは、転職エージェントに登録したものの、十分に相談できる状態ではなく、「ご紹介できる案件がありません」という対応だったそうです。
「自分は企業に転職できるの?」
「どんな職種ならできるの?」
「どうやって転職活動を進めるの?」
そもそも、相談する相手がいなかった。
松木さんも、最初は友人やエージェントから情報を集めていました。でも、身近に「看護師から企業へ転職した人」がたくさんいるわけではありません。
だから、「知らない」ということ自体が、大きな壁になります。

松木さんは、最初の転職で治験コーディネーターになりました。そのきっかけの一つが、実際にその仕事をしていた友人から聞いた、
「人の命に直接関わらないから、仕事がしやすい」
という話でした。でも、今振り返ると、
「楽なんだ、治験コーディネーターって思っちゃった」
と話しています。そして、
「看護師って大変な仕事なんだって、自分で変に解釈しちゃった」
とも。
これ、すごく大事な話だと思っています。
「今の仕事が大変」
↓
「じゃあ、違う仕事なら楽になるかも」
という考え方。でも、どんな仕事にも、その仕事なりの大変さがあります。
大切なのは、「どっちが楽か?」ではなく、「私は、どんな大変さなら納得して向き合える?」なんですよね。
もう一つ、松木さんがHandL受講前の最初の転職で感じた反省点があります。
転職エージェントから、
「看護師からの転職実績が多い」
「企業で活躍している看護師さんがたくさんいる」
「看護師は患者さんに寄り添ってコミュニケーションが取れる」
といった説明を受けた。それを聞いて、「自分も向いているかも」と思った。
でも、後から振り返ると、「その仕事が自分に合っているか?」というところまで、自分自身で深く考えられていなかった。特に印象的だったのが、
「入った後の5年後の自分っていうのを想像してなかった」
という言葉。そして、
「企業に転職することがゴールになってた」
と振り返っています。
これ、本当に気をつけたいところです。
「看護師を辞めたい」「一般企業に行きたい」「とにかく病院の外に出たい」
そう思ったとき、「どこでもいいから企業に行く」になってしまうと、転職したあとにまた、「なんか違う」が起こる可能性があります。
だって、「看護師を辞める」は決まっていても、「じゃあ私は何をしたいの?」が決まっていないから。
だから私は、「辞める・続ける」を決める前に、「私はどうなりたい?」を考えてほしいと思っています。
リリさんは、転職活動の段階で、「営業職に行きたい」という方向性をある程度決めていました。
そこから、MRなのか。医療機器なのか。人材なのか。営業職の中でも、自分がどんな分野なら興味を持てるのかを考えていった。そして最終的に選んだのが「人材」。理由は、
「人の働き方っていうところのお手伝いができる」
というイメージに惹かれたこと。そして看護師時代から、
「後輩にもっと楽しく働いてほしい」
「人を育てるのが好き」
という感覚を持っていたこと。
当時は、「これが私の人生の答え!」と、完璧に言語化できていたわけではありません。でも、「なんとなく好き」「なんとなく愛着を持てそう」という感覚を大切にして選んだ。
そして今、「看護学生さんのキャリア選択を支えられることが楽しい」と感じている。
過去の自分の感覚が、今の仕事につながっているんですね。
そして、企業への転職活動で二人が驚いたのが、「面接、めちゃくちゃ深掘りされる」ということ。

看護師の面接では、「これまで何をしてきましたか?」「なぜ転職するんですか?」といった質問に答えていくイメージがあります。
でも企業の面接では、
「それって、なぜ?」
「その経験をどう捉えていますか?」
「別の見方もできると思いますが、どう考えますか?」
と、どんどん深掘りされる。つまり、用意した回答を暗記しているだけでは、なかなか対応できない。
だからこそ、リリさんは、
「その準備があってよかった」
と話しています。転職活動の最初から面接まで、一貫して自己分析を続けていた。だから、深掘りされても「打ち返せた」。
これは、私が「自己分析は面接対策のためだけじゃない」と思っている理由でもあります。
松木さんが面接で聞かれた質問があります。
「自分が50代とか40代になったときに、どういう姿でいたいですか?」
今の転職の話をしているのに、40代、50代の話。かなり先ですよね。
でも、企業側からすると、「この人は、長期的にどんな働き方をしたいのか?」を知るための質問でもあります。
松木さんは、その問いに対して、「だから今、この会社でこういう仕事をしたい」とつなげて話しました。そして、
「何十年か後まで考えてる人の方がやっぱり少ない」
と言われたそうです。
転職活動って、「今、どこに転職するか」に目が向きがち。でも本当は、「その先、どんな自分になりたいのか」まで考えることが大切なんですよね。
そして、無事に内定が出た二人。ここでも印象的だったのが、「自分も会社を見ていた」ということです。
リリさんが入社を決めた会社では、「看護師しか経験していない」ではなく、「看護師としての経験がある」という捉え方をしてくれた。この違いは大きいですよね。
同じ「営業未経験」でも、「営業をしたことがないんですよね」と見る会社と、「看護師としてこんな経験をしてきたんですね」と見る会社では、全然違います。
リリさんは、
「看護師の経験をちゃんと経験として扱ってくれた」
ことが、入社を決める大きな理由の一つだったと話しています。
企業の面接は、「自分が会社から評価される場」だけではありません。「自分が、この会社で働きたいと思えるかを見る場」でもある。
これは、転職活動をするときに忘れないでほしいことです。
🎥 ここまでの話を、お二人の声で聞いてみませんか?
転職を考えたきっかけ、エージェントとのやりとり、面接の様子など、記事では紹介しきれなかった空気感も動画でご覧いただけます。
▶︎ YouTubeで動画を見る
ここからは、少し現実的な話。
「企業に転職してよかったですか?」と聞くと、もちろん「よかったこと」だけではありません。
リリさんが感じたのは、看護師の仕事のシンプルさ。
看護師は、目の前の患者さんにとってより良いことをする。でも営業職では、「お金を払ってサービスを提供する」という関係性があります。
だから、「やってあげたい」だけではなく、適正なサービスを提供する。時間や担当件数とのバランスを考える。「やりすぎない」という判断も必要になる。
これは、看護師から企業に行ったからこそ感じる違いなのかもしれません。
松木さんからも、企業で働いて感じたリアルな話がありました。
看護師のときは、チームで患者さんを見る。自分が休んでも、誰かが引き継いでくれる。ある意味、「自分一人で仕事を抱えなくても回る仕組み」があります。
でも、会社員になって担当を持つと、「自分が休むと仕事が止まる」という責任も出てくる。
一方で、「あなたはどう考えている?」「どう動きたい?」と、自分の考えで仕事を進められる自由もある。
つまり、自由になったから、全部ラクになったわけじゃない。むしろ、「自分で考えて、自分で決める」という責任が増えた。
でも、それが面白さにもつながっている。そんなリアルなお話でした。
最後に、お二人からこれからキャリアを考える方へのメッセージをいただきました。
リリさんの言葉。
「看護師だから、資格を取ったからといって、病院の中だけで働かなきゃいけないわけでもない」
そして同時に、
「病院=しんどい、外の仕事=楽、ではない」
とも。
どんな仕事にも、しんどさはある。だから、「ラクそうだから」ではなく、「その仕事の大変さは、自分に合っているのか?」を考えてほしい。というメッセージです。
松木さんからは、もう一つ大切なメッセージがありました。
学生の頃から、「看護師としてどうなるか」は考えていても、「看護師じゃない自分」について考える機会は、意外と少ない。だから、
「看護師としての自分じゃなくて、単なる自分としての得意不得意だったり、やりたいこととか、楽しいって感じることを大事にしてほしい」
という言葉。
これ、私はすごく大事だと思っています。
看護師になる。病院で働く。新人として頑張る。リーダーになる。委員会をする。後輩を指導する。主任を目指す。
看護師の世界には、ある程度「次に何をするか」が用意されています。だからこそ、「自分で決める」経験が少ないまま、キャリアが進んでいくこともある。
そして、ある日ふと、「あれ?私は、この先どうしたいんだろう?」となる。
そんなとき、「辞めるか、続けるか」を急いで決めなくてもいい。まずは、
私は、どんな自分になりたい?
何を大切にして生きたい?
どんな働き方なら、自分は納得できる?
そこから考えてみてほしい。
看護師を続けるのもいい。
病院を変えるのもいい。
一般企業に行くのもいい。
別の働き方をつくるのもいい。
大切なのは、「みんながそうしているから」ではなく、「私はこうなりたい。そのために、この進路を選ぶ」と言えること。
それが、自分の人生を、自分で決めていくということなんじゃないかなと思います。
今回、お二人のお話を聞いていて感じたのは、「看護師を辞めること」がゴールではなかったということ。
「看護師が嫌だから辞めた」のではなく、「もっと自分の可能性を広げたい」「この先の自分を考えたい」そんな思いから、病院の外へ目を向けた。そして、転職してみて初めてわかったこともたくさんあった。
だからこそ、「看護師を辞めようかな」と思ったときに、すぐ答えを出さなくてもいいと思っています。まず、
「私は、何にモヤモヤしているんだろう?」
「本当は、どんな自分になりたいんだろう?」
を、一緒に考えてみませんか?
「辞める・続ける」の前に。自分の頭と心を、言葉にするところから。
それが、納得できるキャリアを選ぶ最初の一歩になると思っています。
看護師から一般企業へ転職したお二人に、
なぜ転職しようと思ったのか
どんな仕事を選んだのか
転職活動で苦労したこと
企業の面接で驚いたこと
実際に企業で働いてみてどうだったか
これからキャリアを考える看護師へのメッセージ
など、たっぷりお話しいただいています。文章では伝わりにくい、お二人のリアルな雰囲気もぜひ動画でご覧ください。
▶︎ YouTube:看護師から一般企業への転職、実際どう?どうやって決めた?
HandLでは、看護師をはじめとする医療従事者の方が、「自分はどうしたいのか?」を言葉にして、納得できる進路を選ぶためのサポートをしています。
「看護師を辞めたいわけじゃないけど、このままでいいのかわからない」
「一般企業も気になるけど、自分に何ができるかわからない」
「そもそも、自分が何をしたいのかわからない」
そんな方も、まずは自分の頭と心を整理するところから。
「私は人生をこうする!」と、自分の言葉で言える未来を一緒につくっていきましょう。
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